介護保険で受けられるサービスとは、要介護・要支援で「65歳以上の高齢者」と、「40歳から64歳までの特定疾患の患者」が、介護保険料と国・自治体からの財源によって1割の自己負担で受けられる介護サービスです。
介護保険で受けられる介護サービスは、大きく分けて「居宅サービス」「施設サービス」と「地域密着型サービス」の3つがあります。また、施設に入っていても、そこが居宅と見なされる場合は、そこでのサービスは居宅サービスに含まれます。要介護1~5の認定を受けた方には「介護給付」が、要支援1~2の認定を受けた方には、「予防給付」があります。

1.居宅サービス

居宅サービスは、要介護・要支援者が現在の居宅に住んだまま受けられる介護サービスです。居宅サービスはさらに、「訪問サービス」、「通所サービス」、「短期入所サービス」、「その他のサービス」に分類されます

①訪問サービス

  訪問サービスは、自宅で暮らす要介護者・要支援者を訪問して、買い物や掃除などの゛生活支援゛や食事や排泄などの゛身体 介護゛等を提供するサービスです。

②通所サービス

  自宅から通ってきた要介護者・要支援者を施設に受け入れて食事や排泄などの介護、健康管理や衛星管理指導などの看護、リハビリ、入浴などを提供するサービスです。

③短期入所サービス

  要介護者・要支援者を一定期間、施設に受け入れて、食事や排泄などの介護、健康管理や衛星管理指導などの看護、リハビリ、入浴などを提供するサービスです。

④その他サービス

  介護保険の指定を受けた有料老人ホームやケアハウスなどに入居している要介護・要支援者向けのサービスと、自宅で暮らす要介護・要支援者向けのサービスに分けられます。前者には「特定施設 入居者生活介護」があり、後者には「福祉用具貸与」「特定福祉用具販売」「住宅改修費支給」があり、「居宅療養管理指導」と「居宅介護支援」は両方で提供されています。

居宅サービスの種類と内容
分類 介護保険適用サービス サービス内容
訪問 サービス 訪問介護 ホームヘルパーが家庭を訪問して、入浴・排泄・家事等の介護や調理・掃除・洗濯等日常生活の必要な世話を受けます。
訪問入浴介護 入浴設備や簡易浴槽を積んだ移動入浴車などが家庭を訪問して、入浴の介助を受けます。
訪問看護 訪問看護ステーションや病院・診療所の看護師や保険師が家庭を訪問し、医師の指示に基づく医療処置等を受けます。
訪問リハビリテーション 理学療法士や作業療法士・言語聴覚士などが家庭を訪問して、生活行為の向上を図るための指導訓練を受けます。
通所 サービス 通所介護 (デイサービス)  デイサービスセンター等に日帰りで通い、介護を目的として食事・入浴・日常生活上の世話と機能訓練などを受けます。
通所リハビリテーション (デイケア) 介護老人保険施設や病院などに日帰りで通い、医学的な管理の下で食事・入浴・日常生活上の世話と機能訓練、リハビリなどを受けます。
短期入所サービス 短期入所 生活介護 (ショートステイ) 特別養護老人ホームや老人短期入所施設などの福祉施設に入所し、入浴・排泄・食事などの日常生活の介護やリハビリテーションを受けます。
短期入所 療養介護 (ショートステイ) 介護老人保健施設や介護療養型医療施設などに短期入所し、養護や介護、リハビリテーションを受けます。
その他サービス 特定施設 入居者 生活介護 特定施設(有料老人ホームやケアハウス)等で行われる介護も、居宅サービスとみなされ、介護保険から給付が受けられます。
福祉用具の貸与 利用者に車いすや特殊ベッド等、12種目の福祉用具をレンタルする。毎月のレンタル料の9割を保険給付から支給することになります。
特定福祉用具販売 腰掛便座、特殊尿器、入浴補助用具など、他人の使用後に再利用できにくい特定福祉用具には、レンタルでなく9割の購入費が支給されます。
住宅改修費の支給 自宅で安全に快適にすごせる事を目的に、手すりの取り付けや段差解消など、一定の工事に対して住宅改修費の9割が支給されます。
ケアプラン作成 利用者依頼の下で、ケアプランを作成してもらう。

2.施設サービス

  「特別養護老人ホーム」、「介護老人保健施設」、「介護療養型医療施設」に入居した要介護状態にある高齢者に対して提供されるサービスです。

施設サービスの種類と内容
分類 介護保険適用サービス サービス内容
施設 サービス 介護老人福祉施設入居者生活介護 寝たきりや痴呆の為に、常時介護が必要で、自宅での生活が困難な人が、日常生活上必要な介護、機能訓練、療養上の世話を受ける施設です。都道府県知事の指定を受けた指定介護老人福祉施設として、保険給付の対象となります。
老人介護保険施設入居者生活介護 病状の安定した人が、積極的な治療よりも、看護や介護、リハビリを中心とした医療ケアと生活サービスを受け、在宅への復帰を目指す為の施設です。
介護療養型医療施設 医療的な側面のもっとも強い施設で、脳卒中や心臓病などの急性期間の治療を終え、病状が安定期にある要介護者が、長期間にわたりサービスを受けるための医療機関の施設です。

3.地域密着型サービス

地域密着型サービスは、高齢者が身近な地域で生活し続けられるように、事業所のある市町村の要介護者・要支援者に提供されるサービスで、訪問・通所・短期入所によるサービス、認知症患者向けのサービス、特定施設や介護保険施設におけるサービスなどが提供されています。

①訪問・通所型サービス

自宅で暮らす要介護者・要支援者を訪問あるいは施設に受け入れて、買い物や掃除などの゛生活支援゛や食事や排泄などの゛身体介護゛等を提供するサービスです。複数の居宅サービスや地域密着型サービスを組み合わせて提供するサービスは、「複合型サービス」と呼ばれています。

②認知症対応型サービス

自宅から通ってきた認知症患者やグループホーム内に入居する認知症患者に買物や掃除などの生活支援や認知症ケアなどを提供するサービスです。

③施設・特定施設型サービス

特別養護老人ホームや有料老人ホームに入居する要介護・要支援者に、買物や掃除などの生活支援、食事や排泄などの介護、リハビリ、看護、入浴などを提供するサービスです。

地域密着型サービスの種類と内容
分類 介護保険適用サービス サービス内容
訪問・通所型 サービス 小規模多機能型居宅介護 1つの拠点で訪問・通所・短期入所の全サービスを提供するサービスです。
夜間対応型訪問介護 訪問介護員等が、夜間の定期的な訪問や、緊急時の随時訪問など、包括的に夜間訪問介護を提供するサービスです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 日中、夜間を通じて1日複数回の定期訪問と緊急時の随時訪問による介護と看護を一体で提供するサービスです。
認知症対応型サービス 認知症対応型通所介護 通所介護(デイサービス)の特殊例で、認知症の利用者のみを対象として、食事や排泄の介助、リハビリやレクリエーション等を提供するサービスです。
認知症対応型共同生活介護 グループホームと言われ、要介護者の内、中程度までの認知症高齢者が受けられるサービスで、小規模な施設で共同生活を行うものです。平成18年3月までは居宅サービスに含まれていましたが、平成18年4月から地域密着型サービスに含まれる事となりました。
施設・特定施設型サービス 地域密着型特定施設入居者生活介護 利用人数29人以下の特定施設(有料老人ホーム)等で、見守りや生活援助、リハビリやレクリエーションなどのサービスを提供します。
地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 利用人数29人以下の介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で、食事や排泄の介助、リハビリやレクリエーションなどのサービスを提供します。